生徒の意思を尊重することは簡単ではないと思います。
なぜなら、容易に尊重したりしなかったりすると、生徒のためにならないことがあるからです。
当校の勉強法の1つであるクラム式覚え方を例として挙げます。
これは、リズムや体を使う覚え方です。
以前は生徒全員にやらせていましたが、最近は生徒の意思に任せています。
というのも、自分の勉強法に信念を持っている生徒がいるからです。
クラム式覚え方は理科や社会が主流です。
生徒の中には、覚え方を特に必要としないでも成果が残せる者もいます。
そんな生徒に、クラム式覚え方を強引に勧めるのはどうかと私は気づきました。
一応は、すべての生徒にこんな覚え方があると伝えるだけにしました。
そこから先は、生徒の意思によります。
しかしながら、自分の意思がはっきりしない生徒には強く勧めます。
そうしなければ、信念を持って勉強できないことが推測されるからです。
そんな生徒が素直に取り組めば、たいていは成果は出るんです。
塾は学校とは違う教育現場です。
学校はマニュアル通りに指導しなければならないでしょうが、塾はおのおのの方針を持てます。
私は生徒の意見に耳を傾けることはとても大切だと思います。
そのため、「~しなさい」と頭ごなしに言い付けることは稀で、「~はどう思う?」といつも生徒に答えを求めることが習慣になっています。
そして、議論に発展することもあります。
とは言っても、生徒のわがままを聞くわけではありません。
ここの線引きをしっかりとしなければ、生徒の言いなりになってしまいます。
そうならないために、生徒がある主張をしたときに、正当な理由を聞きだします。
その理由を公正に判断して同意するか否かを決めるのことは、指導員の裁量にかかってきます。
そのとき、即決できないときは、一旦保留にするくらい慎重に取り扱います。
後日、私も正当な理由をつけ加えて、同意または同意できないことを生徒に伝えます。
すると、たいていの生徒はすぐに納得するのです。
そうでなければ、納得させるまで議論を続け、それでも解決できなければ、一部は受け入れたり、ある期間だけ受け入れたりするつもりです。
中学生になると、自我が芽生えて、自分の意見を持ち始めます。
意見を持ったなら、それを持つだけでなく、それを表すことが大切だと彼らに教えたいです。
「どうせ意見を言っても反抗と見なされるから、言うのをやめておこう。」なんて、思っている生徒は多いのではないでしょうか?
もしそうなら、いろいろな意味で嘆かわしいです。
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