写すのではなく試すための板書

 

板書内容を書くとき、生徒たちは書くことに必死になってしまい、考えることは二の次になっています。

時間的制約があるため、急いで書こうとしてしまうのは仕方のないことです。

だからと言って、内容の理解をおろそかにしてはいけません。

 

特に理数系の科目では、しっかり理解することが求められます。

問題文のどこに注目するべきか、その式はどういう意味なのか、どのように図を描くのか、など。

こういったことを考えるべき時に、下を向いて書き写すなんて愚かな行為です。

 

当校では、問題の解説時、前を向いて説明を聞くことに専念するのが1つの常識になっています。

そのときが正念場であり、授業で最も価値のある時間となります。

 

では、板書内容の書き写しはどうしているのか?

それは、しっかり理解できた後に行います。当然ですが。

 

初級レベルの生徒は、直後に書き写しで構いません。

しかし、中級レベル以上の生徒は書き写しではなく、板書内容を見ずに自力で解けるかどうかを試すようにすることを強く勧めます。

 

先日、あるクラスの数学の授業で解説だけを行い、板書内容は宿題にしました。

しっかり理解できていれば、家に持ち帰ってもできるはずです。

仮にできなかったとしても、さらに理解してから再提出すればいいのです。

再提出になると思えば、授業のときにもっとしっかり理解しようと頑張るでしょうから。

 

板書内容を宿題にすることの別のメリットは、その分時間が稼げることです。

稼いだ時間で、別の問題にあたることができます。

これができる生徒のやり方だと思います。