はっきりさせることを重んじるべき

 

 

 

英語や数学などの学科の内容だけで学力がつくなんて、そんなわけはないと思います。

学力は字のごとく、学ぶ力なわけですから、自分が勉強するにあたって使える力を意味します。

テストの点が1回2回良かっただけで、それで頭が良くなったなんて言う生徒がいますが、ずいぶんと表現が飛躍していると思います。

 

では、学科の内容以外にどんなことが学力向上につながるのか。

その1つは、定着力です。

残念ながら、多くの生徒は、低空飛行で勉強を進めてしまっています。(私の経験から)

それは、直近のテストのためだけの勉強を意味します。

テストが過ぎれば、ほとんど忘れてしまうような脆弱なものです。

これでは知識の方の意味の学力が身につきません。

 

定着の話を生徒にすると、たいていの生徒はそれに耳を傾け、その重要性を理解します。

しかし、実際、定着ができている生徒は少ないです。

それはなぜなのでしょうか?

 

第一に考えられる理由は、定着の方法がよく分かっていないことです。

これについては、指導員が方法をいくつか示してあげなければなりません。

こうすれば印象づく、ああすればずっと覚えていられる、といったアドバイスが必要です。

 

「ここはもう完璧?」と聞かれて、「完璧です!」と言い切れるようにしませんか?

最初は「ほぼ完璧です!」でも構いません。

大切なのは、Yes/Noをしっかりと区別することです。

「この1問以外は完璧です!」もOKです。

 

分かったかどうかがはっきりしないと、その後何をどう勉強したらいいのか分からないはずです。

結果的に、効率の悪い勉強になってしまい、満足のいく成果が得られなくなるでしょう。

成果を求めるならば、はっきりさせることです。

「分かった!」と言えるまで、その問題と向き合いましょう。

 

当校の卒業生で今も覚えているのが、理科の水蒸気量の計算問題で、同じ問題を5回くらい聞いてきたことです。

最初は授業中、2回目はその日の授業後、3回目は次の塾の授業前、4回目5回目は日をおいて、それぞれ質問や確認をしてきました。

なかなかできることではないかもしれませんが、その精神を見習ってほしいです。

1つの問題をきちんと分かろうとする精神を。

かといって、何でもかんでも質問しにくるのは困りものです。

 

 

何回も同じ問題の質問に来るって、勇気が要ると思います。

中には苛立つ先生もいるだろうし、生徒も自分が馬鹿だなんて思ったりするかもしれません。

そんな邪念を振り払って、1つの熱い目標(完璧な理解)のために行動したのです。

誇らしい生徒です。

そんな生徒は、前期試験で合格しました。

そんな生徒が、狭き門をくぐれたんでしょうね。

 

またそんな本気を持った生徒が現れるといいなと思います。