表現力の乏しい生徒と豊かな生徒

 

例えば、こんな質問に2人の生徒が答えます。

 

質問「夏休みを有意義に過ごすためにはどうしますか?」

 

生徒X「早寝早起きをして、早めに宿題を終わらせて、遊び過ぎないようにする。」

 

生徒Y「少なくとも3つのことを行うつもりです。1つ目は、体調管理のために起床と就寝の時刻を固定することです。2つ目は、学校の宿題を仕上げる期日を決めて、1日にするべきページ数を把握しておくことです。3つ目は、娯楽は1日に3時間までとすることです。」

 

生徒X、生徒Yのどちらが、豊かな表現力を持っているでしょうか?

 

この回答を見る限り、生徒Yの方ですね。

 

では、どの部分に豊かな表現力があるのかを分析してみましょう。

 

① 少なくとも

  実際は4つ以上あることを示唆しています。

 

② 起床と就寝の時刻

  「起きる時間と寝る時間」なら、小学生レベルですね。

 

③ 固定する

  「決める」よりも「固定する」の方が、しっかり決めるという意味になりますね。

 

④ 期日

  「日」よりも「期日」の方が、「期限」の意味を含ませることができますね。

 

⑤ ~するべき・・・

  書き言葉でするべき言い回しです。

 

⑥ 把握する

  きちんと覚えておくという意味になりますね。

 

⑦ 娯楽

  「遊び」にすると、小学生レベルです。

 

他にも、文の出だしが前置きになっていることも上手です。

「~が○個あります」と前もって述べることで、それ以降の文が書きやすくなります。

それに、相手にとっても読みやすい文章になります。

 

現段階で、自分の表現力はまだまだ無いと思っている生徒は、行動を起こしましょう。

まずは、言葉を覚えて、それを使うことです。

テレビを見ているときも、言葉に敏感になれば、そこから言葉を習得できます。

筋トレと同じように、すぐには身につくものではありません。

大切なことは、毎日のように少しずつ継続していくことです。